One Stimulator, One Stunning Rainbow
ひどい暑さもだんだんと引いてきた9月の終わり。
通い慣れたポイントをパスし、マップから仮説を立てて初めてポイントへ向かった。
背の高い藪を漕いだ先には、小さな「楽園」があった。
美食と文化の街 Malaga
Summer of 2023
「今年はひときわ長く暑い夏だったと思う。」と、これからは毎年のように思う羽目になるのだろうか。札幌でも最高気温36度を観測し、9月に入っても熱帯夜がつづいた。
それでも、地球のバイオリズムは正常であろうと機能し、季節が駆け足で巡りはじめる。
緊張感
9月第3週目、週末の早朝、川へ向かうとピンとした肌寒さを感じる。秋は意外とすぐそこまで来ているようだった。
川の周りでもメイフライやテレストリアスが短い命を燃やすように飛び回りはじめている。しばらく続いていた雨の影響も引いて、川のコンディションは最高に見える。
同時に、なんとも言えない緊張感がフィールドには漂っていた。
聞こえる川のせせらぎ Feel Good Vibes from the Stream
コンディション
バラしても楽しい。 そんな時間。
生命反応
2つの流れが合流する小さな瀬からスタート。開始して数投目、ニンフで40アップをバラすも、それ以上に開拓の確信を得られたのが嬉しい。
魚に出会えなくとも、その存在を感じられる瞬間が訪れるだけで、その日の釣りはもう優勝なのだ。
興奮冷めやらぬまま、再びポイントを攻めながら、釣り進む。
秋色のStimulator
数百メートルほど進み、マップでは分からなかった、大きなプールへ続く素晴らしいインレットを発見。 ヒットはあったものの、ライズをまだ見かけておらず、気温も高まりきらない状況。ただ、気温のわりにハッチは多いように感じる。 いろんな選択肢があるなか、前回の釣行からノリにのっている、秋色オレンジの8番スティミュレーターを結ぶ。
Small Stream Monster
水へプレッシャーを与えないように慎重にポジションにつき、フライをキャスト
1, 2投目は不発
3投目、ロールキャストが良い感じにきまって、対岸のブッシュ下をフライが流れていく
ブッシュを通過しきった瞬間、水面がモワッと割れ、フライが吸い込まれる フッキングをキメた瞬間から、はっきりとその重さが伝わってきた
派手なジャンプはしないけど、『質量 = パワー』と言わんばかりに、その重さとトルクでラインを一気に引き出していく
バッキング寸前までラインが出されるも、相手の動きが鈍くなったタイミングでラインを巻き取り、Hardy Ultralite NSX のしなやかさを信じて、やや強引にジリジリと寄せる
負けじと向こうも再び走る
5分くらい一進一退が続き、 ようやく魚体が水面に浮かんできた
はじめて見る体高の大きさに、腹の底が熱くなる感覚をおぼえた ランディングネットに入り切らないサイズだと判断し、そのまま岸に寄せる
Big Dry, Big One
至福の1尾
尖った口先が勇ましく、エネルギーを感じさせる体高
美しく大きな尾びれが印象的な、57cmのレッドバンドだった
大自然に感謝しつつ、また出会えることを祈りながらリリースした