Mosir Artworks(モシリ・アートワークス)

One Stimulator, One Stunning Rainbow

更新:2024/07/21

ひどい暑さもだんだんと引いてきた9月の終わり。

通い慣れたポイントをパスし、マップから仮説を立てて初めてポイントへ向かった。

背の高い藪を漕いだ先には、小さな「楽園」があった。

rainbow trout

美食と文化の街 Malaga

Summer of 2023

「今年はひときわ長く暑い夏だったと思う。」と、これからは毎年のように思う羽目になるのだろうか。札幌でも最高気温36度を観測し、9月に入っても熱帯夜がつづいた。

それでも、地球のバイオリズムは正常であろうと機能し、季節が駆け足で巡りはじめる。

custom chest pack
前日の軽い下見を経て、見定めていたポイントから入渓。背の高い薮をしばらく歩き、見えてきたのは、足跡ひとつない静かな渓。一見穏やかそうな雰囲気に見えるが、表現し難い緊張感に包まれていた。
ryo-chan the cat
a river in niseko

緊張感

9月第3週目、週末の早朝、川へ向かうとピンとした肌寒さを感じる。秋は意外とすぐそこまで来ているようだった。

川の周りでもメイフライやテレストリアスが短い命を燃やすように飛び回りはじめている。しばらく続いていた雨の影響も引いて、川のコンディションは最高に見える。

同時に、なんとも言えない緊張感がフィールドには漂っていた。

hardy ultralite nsx 9foot 5weight
今年のお盆に新調した Hardy Ultralite NSXの9ft・5番。 6ピースであることを忘れさせてくれる軽さと柔らかさを兼ね備えている。 まだ、40cmほどのキッズたちとしか遊べておらず、その真価を確かめられずにウズウズしていた。(竿も、私も)

聞こえる川のせせらぎ Feel Good Vibes from the Stream

コンディション

澄み切った青空が広がる中、川に立ったAM7:00。もうすぐ来る短い秋を少しだけ感じさせる、ピンとした冷たさの混じった空気。この日は、真夏に通い続けたポイントを全パスして、久しぶりに大きく場所を変えてみる。 ⁡下見を経て入渓した先には、朝霧の漂う妖しい渓相が広がっていた。
a river in niseko
hardy ultralite nsx 9foot 5weight
shiribetsu river
node brewit coffee shop
reading a book
mountain yotei

バラしても楽しい。 そんな時間。

生命反応

2つの流れが合流する小さな瀬からスタート。開始して数投目、ニンフで40アップをバラすも、それ以上に開拓の確信を得られたのが嬉しい。

魚に出会えなくとも、その存在を感じられる瞬間が訪れるだけで、その日の釣りはもう優勝なのだ。

興奮冷めやらぬまま、再びポイントを攻めながら、釣り進む。

秋色のStimulator

数百メートルほど進み、マップでは分からなかった、大きなプールへ続く素晴らしいインレットを発見。 ヒットはあったものの、ライズをまだ見かけておらず、気温も高まりきらない状況。⁡ただ、気温のわりにハッチは多いように感じる。 いろんな選択肢があるなか、前回の釣行からノリにのっている、秋色オレンジの8番スティミュレーターを結ぶ。

rainbow trout

Small Stream Monster

水へプレッシャーを与えないように慎重にポジションにつき、フライをキャスト

1, 2投目は不発 ⁡

3投目、ロールキャストが良い感じにきまって、対岸のブッシュ下をフライが流れていく

ブッシュを通過しきった瞬間、水面がモワッと割れ、フライが吸い込まれる ⁡ フッキングをキメた瞬間から、はっきりとその重さが伝わってきた

派手なジャンプはしないけど、『質量 = パワー』と言わんばかりに、その重さとトルクでラインを一気に引き出していく

バッキング寸前までラインが出されるも、相手の動きが鈍くなったタイミングでラインを巻き取り、Hardy Ultralite NSX のしなやかさを信じて、やや強引にジリジリと寄せる

負けじと向こうも再び走る

5分くらい一進一退が続き、 ようやく魚体が水面に浮かんできた

はじめて見る体高の大きさに、腹の底が熱くなる感覚をおぼえた ⁡ ランディングネットに入り切らないサイズだと判断し、そのまま岸に寄せる

rainbow trout
rainbow trout

Big Dry, Big One

至福の1尾

尖った口先が勇ましく、エネルギーを感じさせる体高

美しく大きな尾びれが印象的な、57cmのレッドバンドだった

大自然に感謝しつつ、また出会えることを祈りながらリリースした